電卓選びを間違えると試験本番で計算に手間取り、合格が遠のくのではないかという不安という方に向けて、今回は電験三種で使える電卓の条件や、禁止されている電卓、おすすめのモデル、さらに選び方のポイントについて解説します。
この記事を読めば、試験に持ち込める最適な電卓とその使い方がわかるので、安心して試験に臨めるようになります。ぜひ最後まで読んで学んでください。
電験三種の試験で使える電卓とは?
電験三種の試験では、複雑な計算を効率よく進めるために電卓が欠かせません。
ただし、持ち込める電卓にはルールがあり、すべての市販品が認められているわけではありません。
ここでは、持ち込み可能な電卓の条件や必要な機能について解説します。
電験三種の試験に持ち込み可能な電卓の条件
電験三種の試験で使用できる電卓は、あくまで一般的な市販電卓に限られています。
つまり、数式を保存できる高性能な電卓や、関数電卓のように複雑な機能を搭載したものは認められていません。
求められるのは、四則演算(足し算・引き算・掛け算・割り算)が正確に行える基本的な性能を持つ電卓です。
さらに、平方根を計算できる「√」キーがあることも必須条件となっています。
これは、試験問題において抵抗値や電流値などの平方根計算が頻出するためです。
したがって、事前に「開平計算ができるかどうか」を確認することが、試験用電卓を選ぶ第一歩といえるでしょう。
四則演算・開平計算(√)が必須
電験三種の試験問題は、計算量が多いことが特徴です。
理論科目を中心に、抵抗回路や交流回路の問題では四則演算の連続が必要となります。
そのため、基本的な四則演算を素早く正確にこなせる電卓が欠かせません。
また、開平計算、すなわち平方根を求める「√」機能は必ず搭載されていなければなりません。
例えば、合成抵抗やベクトル計算を解く際には平方根を用いた計算が頻発します。
もし√キーがなければ、手計算に頼らざるを得ず、限られた試験時間内に解答を終えることは極めて困難になります。
そのため「√キー搭載=必須条件」と認識して、早めに対応した電卓を準備する必要があるのです。
電験三種の試験で使えない電卓(禁止されている電卓)
電験三種の試験では「どの電卓を持ち込んでも良い」というわけではありません。
誤った機種を選んでしまうと、会場で使用を禁止されるばかりか、不正行為とみなされる可能性すらあります。
ここでは、具体的に禁止されている電卓の種類や、注意しなければならないポイントを整理して解説します。
関数電卓・印字機能付き電卓・音が出る電卓
電験三種の試験で明確に禁止されている代表例が関数電卓です。
関数電卓は高度な計算や数式処理が可能で、試験において本来想定されていない方法で問題を解けてしまうため使用できません。
また、印字機能付きの電卓も持ち込み不可です。
印刷機能を利用して解答過程を記録できるため、不正につながる恐れがあると判断されているからです。
さらに、入力時に音が鳴る電卓も使用禁止です。
音が出ると試験会場の静粛を乱す可能性があり、他の受験者への迷惑となるためです。
これらの機種は、試験当日に会場で発覚すると使用を止められるだけでなく、最悪の場合は失格扱いとなる可能性もあるため、選択段階で注意が必要です。
不正行為とみなされるリスク
禁止されている電卓を持ち込んだ場合、たとえ意図的でなくても「不正行為」として処理されるリスクがあります。
例えば、関数電卓には数値や計算式を記憶できる機能があるものが多く、これがカンニングの手段になり得るため厳しく規制されています。
また、印字機能付き電卓で計算過程を残す行為は、答案外に解法メモを作ることと同義と解釈される可能性があります。
さらに、音が鳴る電卓は、周囲の受験生に影響を与えるだけでなく、試験官に「不正の合図」と誤解される場合もあります。
つまり、禁止電卓を使用すること自体が大きなリスクを抱える行為であり、試験を公平に受ける姿勢を疑われてしまうのです。
受験者は必ず公式の受験案内を確認し、ルールに則った電卓を用意することが求められます。
試験会場で注意すべきポイント
試験当日、会場での電卓使用に関しては細心の注意が必要です。
まず、持ち込む前に試験案内に記載されている「持ち込み可能な電卓の条件」を再確認することが重要です。
会場に持参してから試験官に使用を止められてしまうと、別の電卓に切り替えることもできず、計算問題に大きな支障をきたしてしまいます。
また、仮に条件を満たした電卓であっても、途中で壊れたり電池切れになった場合に備えて、予備の電卓を持参することが推奨されます。
さらに、電卓のキーを打つ音が大きすぎると注意される場合があるため、普段から使い慣れたものを選び、余計な操作音が出ないか確認しておくことも必要です。
試験は計算スピードと正確さが求められるため、ルールを守りつつ安心して使える電卓を準備することが合格への大きな一歩となります。
電験三種 電卓 おすすめ3選
電験三種の試験に挑むうえで、使いやすくルールに適合した電卓を選ぶことは合格への重要な一歩です。
ここでは、実際の受験生からも評価が高く、機能性・操作性ともに安心して試験に臨めるおすすめ電卓を3つ紹介します。
CASIO グリーン購入法適合電卓 MW-12GT-N
CASIOのMW-12GT-Nは、シンプルながら電験三種に必要な機能をしっかり備えたモデルです。
四則演算はもちろん、平方根(√)キーを搭載しているため、合成抵抗や電圧・電流計算などにも対応可能です。
また、12桁表示により大きな数値の扱いも安心。
キーの配置がわかりやすく、誤入力が起こりにくい点も受験生にとってメリットです。
さらに、グリーン購入法に適合しており、環境に配慮した製品設計がなされています。
太陽電池とボタン電池の併用型で電源面も安定しており、試験中の不意の電源トラブルを避けやすいのも魅力です。
受験だけでなく普段使いにも十分活躍できる、バランスの取れた1台といえるでしょう。
SHARP セミデスクトップタイプ EL-S452-X
SHARPのEL-S452-Xは、キーサイズが大きく押しやすい設計が特徴のセミデスクトップタイプです。
特に長時間の計算作業において、指先の負担を軽減できる点が受験生に評価されています。
12桁表示で大きな数字も見やすく、視認性が高いため試験中の確認ミスを減らす効果が期待できます。
また、√キーを搭載しているため、電験三種の計算に必要な平方根処理にも対応可能です。
加えて、演算メモリー機能により、途中計算をスムーズに扱えるのも便利なポイント。
シンプルでありながら操作性が優れているため、実際の試験環境でも安心して利用できる電卓です。
机に置いて安定して操作できる点も、集中力を維持したい受験生に向いています。
無印良品 普通電卓 ホワイト 12桁(KK-1154MS)
無印良品の普通電卓(KK-1154MS)は、シンプルなデザインと使いやすさが魅力のモデルです。
必要最低限の機能に絞られているため、操作に迷うことなく直感的に扱えるのが特徴です。
12桁表示に対応し、もちろん平方根(√)キーも搭載されているため、電験三種に必要な計算も問題なく行えます。
キー配置も素直で、無印良品らしいミニマルなデザインは手元をすっきりさせ、集中しやすい環境を作り出してくれるでしょう。
さらに軽量コンパクトなので、持ち運びにも便利です。
受験会場に持ち込む電卓として、必要な機能を備えつつ余計な機能を排除している点が、安心感につながります。
シンプルで誤操作の少ないモデルを探している人におすすめです。
電験三種で使える電卓を選ぶ5つのポイント
電験三種の試験では「使える電卓」が限られているため、選び方を誤ると当日使えず困る可能性があります。
ここでは、受験に適した電卓を選ぶ際に特に注目すべき5つのポイントを解説します。
メモリー機能の有無
電験三種では途中式が複雑になり、同じ数値を繰り返し利用する場面が多々あります。
メモリー機能を備えた電卓であれば、一度入力した数値を呼び出して計算を続けられるため、計算効率が大きく向上します。
例えば抵抗値や力率を求める際に数回同じ数値を扱う場合、再入力するよりもメモリーを活用した方が入力ミスを防ぎやすいのです。
ただし、高度な関数メモリー機能を持つ電卓は試験で使用禁止とされることがあるため、シンプルに「M+」「M-」「MR」など基本的な機能を持つ電卓を選ぶと安心です。
使いやすさとルール順守の両立が重要となります。
表示桁数(12桁がおすすめ)
表示桁数は試験における計算の正確性に直結します。
電験三種では10桁を超える数値を扱う場面が少なくありません。
表示桁数が少ない電卓を使うと、指数が省略されたり見落としやすくなり、計算結果に誤差が出るリスクがあります。
その点、12桁表示の電卓は大きな数値や小数点以下の計算も安心して行えるため、多くの受験生に推奨されています。
また、表示が大きく見やすいことで、試験中の疲労軽減にもつながります。
桁数が多いことは、単に「大きな数字を扱える」というだけでなく、正確性や視認性の面で非常に有利になるのです。
ボタンの大きさと感度
試験本番では限られた時間の中で正確かつ迅速に計算を進める必要があります。
そこで重要になるのが、電卓のボタンの大きさと感度です。
キーが小さすぎると押し間違えが増え、逆に硬すぎるとスムーズな入力が妨げられます。
適度な大きさと柔らかさを持ったキーであれば、指先でリズムよく計算を進めることができ、余計なストレスを感じにくくなります。
また、配置が整理された電卓は操作ミスを防ぐうえでも有効です。
普段から模擬試験や問題演習で実際に使い慣れておくことで、本番でも違和感なく扱えるようになります。
すべり止めの有無
意外と見落とされがちなのが、電卓の裏面に付いているすべり止めの有無です。
試験会場では机が平らでも、緊張や急いで操作することで電卓が動いてしまうことがあります。
すべり止めがないと、計算のたびに位置を直す必要があり、集中力を削がれてしまう可能性があります。
そのため、裏面にゴム足が付いているモデルや、しっかり安定して机に置けるセミデスクトップ型の電卓がおすすめです。
操作中の安定感が増すことで入力ミスを防ぎ、安心して計算に集中できるでしょう。
電験三種のように時間との勝負になる試験では、この小さな差が合否に影響することもあります。
視認性(チルトディスプレイなど)
長時間の試験では、数値の見やすさが集中力維持に直結します。
特に座席の高さや照明の関係で表示が見づらくなる場合もあるため、ディスプレイの角度を調整できるチルトディスプレイ搭載モデルは有利です。
また、文字が大きくコントラストの高い表示は、疲れた目でも認識しやすく、誤読を防ぎます。
電験三種では「見間違えによる計算ミス」が意外に多いため、視認性に優れた電卓を選ぶことで試験中の安心感が高まります。
使う人の環境に合わせて最適な視認性を確保することは、合格を目指すうえで欠かせないポイントといえるでしょう。
電験三種試験までに身につけたい電卓の使い方
電験三種の試験で計算をスムーズに進めるためには、電卓の機能を正しく理解し、使いこなせるようになることが重要です。
ここでは、√(ルート)計算の操作方法からメモリー機能、GT機能の活用方法、さらに本番前に慣れておくべきポイントを解説します。
√ルート計算の操作
電験三種の計算問題では平方根を求める場面が頻繁に登場します。
例えば、交流回路におけるインピーダンス計算や三相電力の算出などで√(ルート)の計算は欠かせません。
操作を効率化するには、電卓の「√」キーを使い慣れておく必要があります。
手書きでルート計算を展開するのは時間のロスにつながりやすいため、電卓で即座に計算できることは試験本番の大きな強みになります。
また、複雑な式では途中でルートを含む計算が出る場合があるため、正確に入力し続けられる練習を積むことが合格への近道です。
メモリー機能の活用
メモリー機能は電験三種の計算を効率化するために非常に役立ちます。
特に、繰り返し同じ数値を使用する問題では、入力の手間を省きながら計算を正確に進められる点が大きなメリットです。
例えば「M+」で加算して保存、「MR」で呼び出しといった基本操作を覚えておけば、複雑な公式を扱うときにも入力ミスを防げます。
また、途中で式を何度も確認し直す必要がなくなるため、時間短縮にも効果的です。
ただし、試験規則で禁止されるような高度な関数メモリーは不要で、シンプルな保存機能を持つ電卓で十分です。
受験勉強の段階からメモリー機能を実際の演習で活用することで、本番でも自然に効率よく使いこなせるようになります。
GT機能の活用
GT(グランドトータル)機能は、複数の計算結果を合計して確認できる機能です。
電験三種の試験問題では、一つの大きな問題が複数の小計に分かれることが多く、各小計を計算したあとに合計を出す場面があります。
その際にGT機能を使えば、入力し直すことなく全体の合計を一瞬で求められるため、計算時間を大幅に短縮できます。
また、再確認する際にもGTキーを押すだけで総合計が呼び出せるため、見直しの精度も向上します。
電験三種は時間との戦いになる試験ですので、このような補助機能をどれだけ効率的に活用できるかが合否を分けることもあります。
演習問題を解く際からGT機能を積極的に使い、操作を自然にできるように慣れておくことが大切です。
本番前に演習で慣れておく重要性
どれだけ高性能な電卓を選んでも、使い方に慣れていなければ本番で十分に力を発揮できません。
特に電験三種は問題文自体が長く複雑であり、計算操作で戸惑ってしまうと大きなタイムロスにつながります。
そのため、普段から実際の試験形式の問題を解きながら、√ルート計算やメモリー機能、GT機能を使う習慣をつけることが重要です。
また、試験中は緊張で普段通りの操作ができなくなることもあるため、無意識に手が動くくらいに慣れておく必要があります。
計算の正確性とスピードを両立するためには「道具の性能」だけでなく「操作の熟練度」が欠かせません。
最終的には演習を繰り返すことで、自信を持って試験に臨めるようになります。
まとめ
今回の記事では、電験三種で受験時に使える電卓について解説しました。
合格を目指すには正しい電卓選びと効率的な使い方に加え、効果的な学習方法を取り入れることも大切ですので、外部の受験対策講座の活用がおすすめです。
講座を利用して効率よく学習を進め、一発合格を目指しましょう。
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